考察・廃炉と感情任せにして言ってしまってよいのか(福島第一原子力発電所)

5,6号機は廃炉にしないことが望ましい.その理由.

  • 電気は必要ということ:

いま電気なしで生活できるかといえば、かなり難しいと言える.1〜4号機の能力、計280万kWと、5,6号機の計190万kW.海水・ホウ酸まで使用し汚染の進んだ1〜4号機は廃炉の方向で妥当だが、5,6号機まで捨ててしまう必要はないと考える.もちろん耐震・耐津波性向上と一層の安全を目指す必要はある.

  • 手入れ・メンテナンス(保守)のこと:

保守の点でも5,6号機を生かすほうが良いと考える.人が手を入れなくていい所には、もちろん目も行き届かない.人が出入りするからこそ、秩序は保たれるものだ.第一原発を全て廃炉とし立ち入り禁止としても、動植物は関係なく入りこみ不測の放射性物質の拡散が進んでしまう.敷地内の5,6号機を生かすことで、最低限のチェックは欠かせなくなり、非正常な値が出ても直ちにチェックできる体制ができる.汚染物質の持ち出し、拡散の抑止もより確実となる.

  • 用地のこと:

小なりと言え核に汚染されたことで、普通の人が立ち入りづらい土地となった.普通の活用が難しい以上、引き続き原発用地として活用することが最大の活用法と考える.季節の気象も味方し海方向に風が抜けることが多かったため、現状では、それほど遠くまで多量の汚染物質は飛んでいない.海から風が吹く敦賀や柏崎ではこうはいかなかっただろう.福島だからこの程度で済んだ、とも言える.
一方エネルギー需要は、増えることはあっても大きく減ることは考えづらい.他所に発電所を構えることは非常に難しく、今後原発を増やす必要に迫られた場合、福島県浜通りは最有力候補となり得る.

  • 技術のこと:

原子力は、日本が輸出できる技術の中では大きなものだ.エネルギーの都合上、全廃は夢のまた夢.また、原発を設置する国があるなら、商用原子力を扱う原発先進国2国(日or仏)の原発を設置してもらうことが世界の為でもある.設置しないという方向に世界が向くのなら杞憂だが、長期的にはどうなるか分からない以上、原子力関連技術を諦めるべきとは言い難い.
この大きな被害は、今の程度で世界に原子力発電を拡散したらダメだ、という強いメッセージと捉えることもできるだろう.他国に売った原子力発電所が、このようなトラブルを起こしたとしたら、寝覚めが悪くてしようがないのだから.

結論:福島5,6号機は存続させることは国・地域ともにプラスである
(変更3/31-21:06…好ましい⇒望ましい、「用地」のカット. 3/31-21:59…タイトルに(福島第一原子力発電所)を追記(insタグで表に出てしまったので))