出来レースの委員会と,コンテンツを売る人間が啓蒙を諦めたこと

どうやらダウンロード違法化という方向と聞いて.


クルマで交通の流れに乗って走っていれば法定速度を完全に守りきれないように,ネット上を閲覧して歩けば知的財産権等に抵触しないデータだけを受信することはできないだろう.
それは法治国家の作る法として正しい姿なのか.ある者は罪になり,ある者はならない,この線引きは運用者の胸先三寸であろう.ある程度使われた後のHDD内が権利的に完全に白ということは考えづらく,つまり権利団体やその連携体は任意の誰かを捕まえて権利行使できる.通りすがりでもいいし,マークしたものでもいい.(元来コンピュータというのはデータ複製を繰り返し,時折演算する程度のものだ)
手法にはろくなものが思いつかない.おとりサーバを置くか,おとりデータにトロイを仕掛けておくか,パケットを覗くか,HDDとメディアを接収するか・・しかも接収以外は間接的にしか証拠とならない.
違法化推進勢力の代弁者たちは「Citizen」(漢字表記では言外に余計な色がつく気がした)の何を売り渡したか考えてみるがいいだろう.


(以下は心情的な話)


権利を持っているだろう幾つかの業界を見れば,ゲーム業界は中古販売訴訟の敗訴と,近ごろはマジコンの蔓延で,そういう怨恨の蓄積とすれば気持ちはわからないでもない.
音楽業界は啓蒙もなおざりなままCCCDを仕掛けてきて呆れ果てたものだ.インディーズで買っていたグループもレーベル入り後はCCCDで出てきた.CCCDで表出した敵視政策はもう変わらないのだろう.今回も十分な啓蒙より先に法制化に向けて動いたと受け止めている.iTunesさえあればいいのでどうでもいい.
テレビ業界は視聴可能局の地域格差を放置していて,今後も変わらないだろう.権利を行使して在野の転送サービス会社は潰してもそのサービスは提供しないのだ.他にもハイビジョンという1125本走査線を使っていた放映規格名称を,恥ずかしげも無く新規格(HDTV)に転用している.DRMカード管理の独占企業体もいつの間にか立ち上げている.つまりサービス不足で,嘘つきで,こそこそしている.努力が感じられない嘘つきにどれほどの権利を認めてやったものだろうか.


上記3つで国際的に競争力を持っているのは,一番保護が薄いゲーム業界というのは何よりの皮肉ではある.


個人的にはひっそり過ごしている分には関係なさそうではある.しかし一人の Citizen としては気に入らないと考えている.


(2007/12 小修正)