品質工学では製品の最も優先すべき事項は値段

 2000年ごろ、会社として風前の灯だったマツダである。そういう「藁にもすがる会社」が頼る学問に品質工学がある。(トヨタなども相当かじった痕跡はある)マツダは品質工学会で賞をもらい、「ものにした」かのように見えるが、その品質工学の教えには「モノの最重要パラメータは“値段”」とある。
 伝統的にマツダというメーカの立ち位置は以下のように理解していた。価格と車格、グレードが混然としたクルマ社会ヒエラルキーで、相対的に「金持ち度」が低く「クルマ趣味度」の高い客層を持つ、ということだ。
 つまりこなれた値段でまともな商品を用意する、品質工学と非常に相性のいいメーカであった。
 現在、マツダ経営判断で高価格側に振っていっているが、モノイリな昨今、ちょっと今のマツダ車には手が出ない。お買い得感がないのだ(BKアクセラのような)。まぁ、当方なぞが買わなくても大丈夫なほどには軌道に乗っているように見えることで、めでたいことである。ただし、マツダ復活のカギとなった品質工学の教えには逆行していることはここに申し上げておく。言ったからね。