モッタイナイ で思い浮かぶことども

「モッタイナイ」は,もてはやされる場合のある言葉だが,他の言葉と同様,ケースバイケースで使うべきと考える.
モッタイナイ,と言っていいだろう事物は確かにある.個人的には真っ先に思いつくのはクルマだ.クルマを10年,10万キロで,あるいはもっと早く廃棄する.ところどころの消耗部品を除けば,今日びの国産車はその購入者より長生きできそうなものだ.(ついでに最も査定が勢い良く落ちるところを使って手放すというスタイルでもある)
モッタイナイ,を濫用するのは避けてほしい事物もある.モッタイナイはいい言葉,またはいいことだという扱いになっているために,強い理由なしに否定することが難しい.それは手強い「勿体ないから食べ(なさい)(てくれ)(てしまおう)」などなどの類だ.
当たり前すぎて書くのもはばかられるほどだが,食事は丁度よい分量だけ用意するべきだ.そしてもし余った場合,モッタイナイという言葉と共に天秤にかかるのは「残飯」と「健康」だ.食べすぎがどれだけ健康を損なうかは,各々の経験に照らし合わせてもらうとして,残飯はもはや適切に食物を摂取した者にとって有用な資源ではない(だから残飯というのだが).片や,健康を損なうことは大変な浪費を伴うものであり,よって残飯と健康を天秤に掛けるような所業は慎むべきであろう.
「モッタイナイ」も,多くの言葉と同様,適切かどうか量りながら用いる言葉である.

※2007/12/07微修正
※2009/01/14食カテゴリ付加