一般向け(自動車等)の動力源として、燃料電池はお奨めできない。その理由。

さて燃料電池、電池とは称するが「水素+酸素⇒水」という変換から、電力を取り出すものだ。
一歩引いてみれば内燃機関「燃料(炭化水素+酸素⇒水+CO2」とそう変わりはない。

  • 水素の製法: 水素は既存の燃料改質で作られることになる。炭化水素から水素を取り出す際、エネルギーを使用した上に二酸化炭素を排出する。ただで水素ができるわけではなく、既存の燃料(C_H_)を使い、CO2も排出するのだ。 見かけや売り文句のクリーンさに対し、実態は現状からそれほど変わらない。
  • 供給体制: 「水素の供給体制がないから水素ステーションを用意する」というメッセージが発されているが、供給体制は「なぜ燃料電池を採用するのか」という本質に関係ない。
  • 爆発範囲の広い水素を安全に使うこと: 水素の爆発範囲は広く(空気に対して4%〜75%(体積))、メタンやアルコールより爆発下限濃度が低い(爆発上限濃度も高い)。漏れに気づきづらいこともあり、取り扱いの難易度は非常に高くなる。
  • 燃料電池の寿命、水素吸蔵合金の寿命: 使用につれて性能は低下していく。水素の質や環境に影響されやすい。充填にも時間がかかる。

 比較的安全そうな原発でさえも再稼働が止められていて、電気自動車に対する不安視がトヨタの判断をも鈍らせたか? 事情はどうあれ、次の一般向けの動力源として燃料電池をお奨めしない。